2018年10月10日水曜日

意思決定刺激

今回は身体活動量を促す【意思決定刺激】ついてご紹介いたします。

米国の身体活動ガイドラインでは中程度の身体活動を週150分以上実践することを推奨していますが、国民の半数以上はこの推奨を満たしていません。そこで、身体活動を促す手法のひとつとして“意思決定刺激”がよく用いられるようになってきました。意思決定刺激とは、意思決定場面において身体活動を促すしかけをすることでより活動的な選択(たとえば駅のようにエレベーターと階段が隣接するような施設において「歩こう!」というサインを掲示するなど)を支援する手法です。ある米国の空港では、コンコース間を歩く旨のサインを掲示したところ、12%の増加が認められたという報告もありました。

日本国内では社会的秩序の向上や交通安全、防災などに多く見られます。例としては、交通安全や火災予防の標語ですが、企業でも公衆用トイレなどに掲示してある「きれいに使って頂きありがとうございます」といった掲示です。これらの掲示をするだけで、トイレの衛生維持に優位に向上が見られたという報告が多く、他への流用を期待されています。

そこで、職場での身体活動を促す、意思決定刺激掲示を考えてみました。
エレベーターホールに「歩こう!階段フィットネス!」という表示を掲げてみます。階段を昇ったときの消費カロリーは、体重50kgの人で、10段で約1kcalと言われます。ビルによって1フロアが何段あるか異なりますが、オフィスビルなら1フロア分で15~20段といったところです。つまり、フロア3階分を階段で昇って5~6kcalの消費になりますが、実は階段の昇降には消費カロリー以上の筋トレ効果がありますので、長期的に実施することで効果は上がってくるはずです。また、階段を少し小走りで走る事でランニング以上のカロリー消費や筋トレ効果が期待できますので、時間の無い皆さんにも仕事の合間にフィットネスを取り入れることができますね。

また、スタッフが通る通路に「歩いて帰ろう」という掲示をしてみます。帰りがけにその掲示をみることで、いつもバスや電車に乗っているルートを歩いて帰る意思決定を支援します。さらに、全国の自治体でも健康づくりの標語を募集し、優秀作品を一定期間掲示することで健康増進に役立ったという効果も得ています。

下記に千葉県の小中学校で行われた健康づくり標語コンクールの優秀作品をご紹介します。ご家族のいらっしゃる方には心に響く評語もありますね。

‭http://www.kenko-chiba.or.jp/news/kenkouhyougo_kekka‬

アクティブレスト

今回はアクティブレストというコンディショニング(体調管理)のひとつを紹介したいと思います。
アクティブレストとは文字通り、活動的に休息をする方法です。

「大切な休みは体をゆっくり休めたい」

と思う方も多いと思いますが、実は労働による疲労のほどんどは、“同じ思考の疲労”であると言われており、それらの思考を癒してあげるためには、やはり適切な睡眠と食事、そして運動(活動)が必要になります。
だからといって極端に長い睡眠(寝溜め)や休み前の暴飲暴食はコンディションリズムを壊し、リスタートしにくくしてしまいます。

そこでアクティブレストの目的は、仕事で疲れた思考をあえて違う環境において活動させることにあります。
例えば、いつも室内で仕事をしている人ならばお休みの日はアウトドアへでかけてアウトドアクッキングをしてみるとか、接客のお仕事をしている人は全く違う職種のサービスを受けて(サービスの寸評をせずに!)楽しんでみるとか、いつもと違う思考や環境に飛び込んで見るだけで随分とアクティブレストできるものです。

レジャー白書によれば、釣りを趣味としている人の多くは、飲食業や宿泊業などサービスをする立場の人が多いことがわかっています。

また、スクーバダイビングは医療関係者や教職員、サーフィンやウインタースポーツは第三次産業の人たちに好まれるそうです。

何かしらの趣味を待っている人はストレスコントロールがしやすいとか、鬱になりにくいという報告もあります。

これらは、それぞれが違う思考を求めている証拠と考えられ、休みの日でもアクティブに活動することが、明日への活力につながっていることがわかります。

また、アクティブレストの良さは、仲間が増えることです。仕事と関係のない環境で通じ合える仲間や友人ができることは、最も良いアクティブレストといえ、新鮮な思考活動が心身ともに癒しを与えてくれるはずです。

「あなたの趣味は何ですか?」

という質問に即答できなかった方。
ぜひ次の休みに外の世界をのぞきにいってみてください。

気温の変化で体調を崩しやすい季節でもありますのでココロもカラダもケアを忘れずに。