3日間の行程で屋久島に行ってきました。
以前から気になっていたものの、なかなか行く機会がなかったので今回はトレッキングの研修を目的として来島しました。
実は父が数十年も昔(おそらくオレも生まれていないころ)、鹿児島国体の監督で屋久島を訪れ、大変感動したという話を以前から聞いていたので非常に興味があったのだ。
その後父は十年前に山岳会の仲間とともに再び屋久島を訪れ、変わらない森と自然に驚いたという。登山歴50年の親父が言うのだからそりゃ行って見なくてはいけないと思っていたのだ。その親父の話の中で最も記憶に残っているのは
「飛行機を降りた時から違う」
という言葉だ。その言葉を思い出し、飛行機から地上に降り立った時に思いっきり深呼吸してみた。
我々を歓迎している(と思われる)かのような快晴の空に、九州最高峰の宮之浦岳が悠然と聳え立つ。そこから吹き降ろす冷たい風が一気に肺の中に飛び込んできて体中に鳥肌が立った。
「すげぇ・・・」
この言葉をこの3日間何回使っただろうか・・・。SOLICのブログにたくさん書いたから行ったところやその観光ガイドは書かない代わりに本当に感じたことをブログに残しておこうと思う。
今まで35年間生きてきて、仕事柄国内外に関わらず様々な場所へ行ってきた。おそらく20カ国は行っているのではないだろうか。もちろん国内でも素晴らしい場所がたくさんあった。でも旅行や出張に行くと必ず思うことは「早く家に帰りたい・・・」なのだ。
別にホームシックとかではなく、居心地や空気、水など自分に合っているかどうかをいつも体で感じているようだ。ところが屋久島に3日間滞在して、初めて「帰りたくない・・・」と思った。
自然に育てられた私にとって森や川、海を身近に感じていたいのは当たり前のことだが、これほどまで感動と恐怖を味わったことはなかった。屋久島に来て初めて感じたのはこの森には非常に多くの神様が住んでいるということ。まあどの森にも妖怪話はあるものだが、この森はある部分を越えると空気の壁みたいなものを感じる場所があって、そこは「神聖な場所」という非常に強いオーラみたいなものを発しているように思える。
何箇所かあったその“領域”のひとつで最も体中に響いた場所はモッチョム岳という島の南西側に位置していて数多くある信仰岳の中でも入口に聳え立つ姿が美しい山。
計画的にその山を登るはずではなかったのだが、近くによると「山を教えてやるよ」といわれたように頂上へ導かれた。その途中通過した場所にその聖域があった。
初日にいった白谷雲水峡には、宮崎駿監督の「もののけ姫」のモデルとなった屋久杉にコケがたくさん蒸している場所があるのだが、この聖域はその数倍のコケと、圧倒されるような大木が生い茂っていた。
後から知ったのだが、もののけのモデルとなったのは実はこの場所だったらしい。あまりに険しい山なので人々が訪れにくいということで白谷をアピールしているそうです。まあ本当かどうかは監督のみ知るところですがそれらを抜きにしてももの凄いオーラを放っている所です。
屋久島は、私に自然に対する姿勢と森や山を登る楽しみ、そして自然の恐怖を改めて教えてくれました。初心にもどるきっかけを教えてくれた屋久島に感謝し、再び訪れることを約束してきました。
本当に素晴らしい屋久島・・・機会があったら是非行って見て感じて欲しい。