お休みをもらって以前から約束していた元ライフセービングスタッフのSと箱根へツーリングに行きました。Sはオレ様と同じ大型免許を所持するHDのオーナーで、先日久しぶりに電話をしたのがきっかけで、今回のツーリングが実現しました。
日帰りですが、2回目だったので先日の箱根ツーリングに比べて今回はかなり余裕のライド。ついでに天気も良くてのんびりモード。
外国人で賑わう芦ノ湖で途中休憩。
久しぶりに会ってたくさんの話があったけど、Sの「最近どうですか?」の質問から色々自分の話をしました。
仕事のこと、プライベートのこと、悩んでいること。
10年前は凄く子供ぽっかった子だったのに、いつの間にかオレ様が色々相談に乗ってもらっていたりして・・・。
昼食は芦ノ湖のレストラン。
せっかくここまできたので、苦手な淡水魚を勇気をもって食してみました。
岩魚がメインの和食定食。いがいと美味い。
これなら食べられそうだ。
食事の間も色々な話をしていました。3時間くらい。
聞き上手なんだな。
ついつい長居をしてしまって、あたりが夕日に包まれてきたので、慌てて出発しました。
奥湯河原を抜けて行く途中、夕日と富士と芦ノ湖がとても美しく、バイクを止めてしばし撮影。
日本ってきれいだなぁ。
もうすぐ11月ということもあって、1時間もバイクに乗っていると手がかじかんで腰も冷えてきたので、湯河原の日帰り温泉へ行くことにしました。
1時間ほど風呂につかってまた話し込んでしまい、いつの間にか19:30。
なんだか凄くたくさん話をしたなぁ。こんなに自分のことを正直にしゃべったのは久しぶりだ。
色々な話をしたけど、その中で最もお互いに共通したのは、最近人から「心の相談」を受けることが多いということ。そしてそのコメントに悩むということ。
オレ様は大学で「心」について勉強しているが、まだまだカウンセリングできるほどではない。
でも以前読んだ本からの引用と自分の体験を加えてこんな話をしてみた。
人が受ける心の傷って錆びたネジと同じなんだよね。錆びたネジってドライバーで開けようと必死になってもなかなか開くものではない。逆に無理にこじ開けようとすれば、ねじ山が削れてしまって二度と開かなくなってしまう。だから、一般的には潤滑剤なんかをスプレーして再び開けようとする。
しかし・・・人の心が錆びたネジならば、潤滑剤は薬。
薬で開いたネジは磨いて普段からケアしてあげないと、再び錆びてしまう。
でも、もともとねじ山が刻んであって、動くようにできているネジに潤滑剤がいつも必要なのではない。人の手の熱や脂がいつもネジに触れていればネジは錆びることがないのだ。だからいずれ潤滑剤も必要なくなる。
そして、潤滑剤を使わなくても錆びたネジを開ける方法がある。
錆びたネジはもう一度締めることで開くようになる。
しかし、これはねじ山を傷つけることもにもなる。すなわち心を再び傷つけることにもなるということだ。錆びというストレスや傷に、新たなストレスである「締める」という行為をすることで、二度と錆びない記憶と学習をすることができるのだ。
しかしこれには勇気がいるし、ストレスを選ばなくてはいけない。
オレ様は錆びたネジを締めることで開けてみた。
締める=バイクだったのかも知れない。人気のない箱根の山奥をバイクで走りぬける。スピードを出しているわけではないが、気を抜けば谷底へまっしぐらだ。仕事のことも普段受けていたストレスも全て忘れるほどの緊張感と山と海の神が作り出した自然の空気がヘルメットの中に充満する。
バイクを降りた瞬間、全てがリセットされたような開放感に包まれる。これほどのストレスはない。ストレスはマイナスだけではないのだ。
そして、ネジが錆びる前兆とは、自分の心を分析している自分に気がつき、それらを人にしゃべりたがることだ。
しかし、自分の心の傷を人に聞いてもらってもなんら解決にはならない。心が病と思っている人にアドバイスをしても、ほとんどの人は「でも~だって~」といいわけをするからだ。
心が病と言っている人のほとんどは「かなわない望み」が原因だ。
人にはキャパシティがそれぞれあるから、それを超えることでストレスは発生し、「かなわない望み」となって救いの手を差し伸べる。「かなわない望み」は「わがまま」とも言い換えられる。
だから、悩みを解消させるには、望みと同じくらいのスペースを確保するために、「捨てる覚悟」が必要だ。
捨てるものとは、仕事や時間、こだわりやプライド。
人によっては休息が必要なのかもしれない。休息とは寝ることだけではない。開いたスペースに入り込む新しいストレス、新しい空気だ。
必要のないものを捨てられない人こそ、擬似病にかかってしまう。
今日は1日Sに付き合ってもらってしまった。でもおかげで再確認できたことがあった。
自然を愛すること。自分に緊張を与えてくれるバイク。正直な心の内を話せる仲間。オレ様にとって錆びたネジを締める必須アイテムなんだということ。
ありがとう。
コメントをもらった人へ・・・あなたは自分を分析できるから自分の必要のないものも分析してみては?ネジが錆びる前に。そして信じることも信じてもらうことも凄く時間がかかることだと思うから、焦らないこと・・・でも錆びそうなネジを開閉させる勇気を持つことも必要なのでしょう。その余裕を作るためにまずは自分の要らないものを捨てる勇気をもってみては?