ラベル オープンウォータースイミング の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル オープンウォータースイミング の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年4月13日金曜日

ドーバー海峡横断



早朝から9月にドーバー海峡横断に挑戦したいという女性のタイムトライアルをサポート。

ドーバー海峡とは英仏間の34kmの海峡で、1700年代から気球や飛行機などによる横断挑戦が始まり、1875年には21時間45分かけて横断泳を行った人物が現れた。

低水温と強い流れによって実際の泳ぐ距離は50km以上になるともいわれ、夜間泳ぐことなどから、精神的にも肉体的にも世界中でも超過酷な冒険のひとつである。

その後、技術の発達とともに記録は塗り替えられ、現在は7時間台で泳ぐ選手も現れるなど、世界中のオープンウォータースイマーが憧れる海峡横断である。


チャレンジは一年で最も最効率が上がると言われる9月。
泳げるからといって誰でも参加できるわけではなく、当然満たさなければならない条件がある。

そのひとつで16℃以下の水温下で、水着のみを着用し、他に動力や道具に頼らず6時間以上泳いだことを証明しなければならない。

伊豆付近の現在の海水温は16℃。
この時期に水着一枚で泳ぐことは様々なリスクを負うことになる。
単に勇気があるとか体力があるだけではないのだ。

これから鍛錬を積み上げていくことが望まれる。
頑張れー!



ブログランキングに参加しています。
よろしければポチッと押して下さい(^^)

にほんブログ村 その他スポーツブログ スポーツトレーナーへ

2018年3月6日火曜日

東京五輪OWSを館山で開催することを推奨したい理由-2

東京五輪の正式競技種目として行われるオープンウォータースイミング(以下OWS)を千葉県館山市で行うことを推奨したい。
その1ではオープンウォータースイミングの成り立ちと歴史について述べたが、今回は具体的な推奨したい理由について述べたいと思う。

繰り返しになってしまうけれど、東京五輪を誘致した関係者や水泳連盟でOWS開催を具体的に準備する関係者にとっては、迷惑なことかも知れないし「何言ってんだ」と思われてしまうかも知れないけれど、個人的な意見として読んでもらえれば幸いです。


東京五輪OWSを館山で開催することを推奨したい理由 -2


その1 海洋状況の良さ

まず最大の要因としてあげられるのは海洋状況である。 館山の会場候補となる北条海岸は西向きの大きな湾の中にあり、五輪が開催される時期は安定した海洋状況が見込める。



選手権レベルに参加する選手は、一般スイマーと比べて荒天時でも適応できる能力は高いと考えられるが、五輪競技は10kmであり、スイマーはもちろん安全を管理するライフセーバーや審判も同様に長時間水面に待機しなければならない。


これが荒天で開催となれば、その安全性が低下する。




かといって湖やプールのような平水での競技では、自然との駆引きというオープンウォータースイムの魅力が半減してしまうというという難しい判断となるのだが、北条海岸はその両方を得られる好立地である。

100年以上も大学をはじめとした臨海学校の開催地であることや、OWS日本選手権を開催していることからも信用を得られる。

また、昨今湘南エリアで問題となった、台風や大型の低気圧などによる海岸線の被害についても問題となるが、海岸線から数十mで住宅が建てられるなど海洋状況の安定や損害を被りにくい地形であることがわかる。
水質についても、湾内であることと夏季であること、海底が泥質であることなどから館山の南地区に比べれば潮通しが悪く透明度が落ちるが、千葉県平成29年度の水質調査によれば、水質Aに認定され問題は低い。





その2 都心、成田空港からの利便性

館山市は、都心・成田空港から非常にアクセスがいい。

車の場合
成田空港→(東関東道・京葉道路)
東京・千葉→(東関東道・京葉道路)→宮野木JCT→(館山道・富津館山道路)→富浦IC→館山

東京・横浜→(アクアライン)→海ほたる→木更津JCT→(館山道・富津館山道路)→富浦IC→館山

所要時間は、
〇成田空港⇔館山 約100分
〇東 京⇔館山 約80分(東京湾アクアライン利用)  
〇横浜市⇔館山 約80分(東京湾アクアライン利用)  
〇千葉市⇔館山 約70分

高速バス   
東京⇔館山「房総なのはな号」  
新宿⇔館山「新宿なのはな号」  
千葉⇔館山「南総里見号」  
横浜・羽田空港⇔館山線 房総なのはな号(東京発)

東京駅⇔館山駅 
大人片道:2,500円(子ども片道:1,250円)   
全席指定席のため、事前に乗車券の購入が必要です。
空席がある場合は当日にご乗車できます。

お問合せ先
●JRバス関東館山支店0470-22-6511
●日東交通0470-22-0113
●JRバス関東案内センター03-3844-1950

新宿なのはな号(新宿発) 新宿駅⇔館山駅 
大人片道:2,500円(深夜便3,200円)   

全席指定席のため、事前に乗車券の購入が必要です。
空席がある場合は当日にご乗車できます。  
お問合せ先
●JRバス関東館山支店0470-22-1889
●日東交通0470-22-0113
●JRバス関東案内センター03-3844-1950

南総里見号(千葉発) 千葉駅⇔館山駅 
大人片道:1,550円   
事前に乗車券の購入は不要です。
お問合せ先
●館山日東バス 0470-22-0111
●ちばシティバス千葉営業所 043-244-3516

羽田空港・横浜線 横浜駅(⇔一部羽田空港経由)⇔館山駅 
大人片道:2,550円(子ども:1,280円)   
全席指定席のため、事前に乗車券の購入が必要です。
空席がある場合には当日に乗車できます。
お問合せ先
●京急高速バス座席センター03-3743-0022
●横浜京急バス 
杉田営業所045-771-5411

JR東日本
●総武快速線経由『特別快速』
運行時刻平日のみ
(下り)8:02[東京発] ⇒ 10:10[館山着]   
(上り)17:07[館山発] ⇒ 19:15[東京着] 

●特急列車『新宿さざなみ』運行時刻土曜休日運転  
(下り)  7:50[新宿発] ⇒ 10:02[館山着]  
                     9:08[新宿発] ⇒ 11:16[館山着]  
(上り) 13:14[館山発] ⇒ 15:23[新宿着]       
                    16:03[館山発] ⇒ 18:07[新宿着]

高速ジェット船(2/4(土)~3/26(日) 
高速ジェット船は季節運航となりますが、東京から75分と大変便利です。
【片道料金】
・東京⇔館山 大人片道 3,920円 (こども料金 1,960円)
・館山⇔大島 大人片道 2,580円 (こども料金 1,290円)
※2月の片道料金となります。
3月は変動の可能性があります。


北条海岸はJR館山駅から徒歩で3分、専用の駐車場が300台、徒歩圏内の駐車場も多く確保されていることからアクセスは良いと考えられる。


その3 日本を誇れる美しい海岸
北条海岸は、日本夕日100選に選ばれたほど夕日の美しい海岸。
さらに東京湾を隔てて富士山が見える!

房総タウン,comより引用




これらは、日本人が誇るべき風景であり、参加者はもちろん訪れたギャラリーも日本と館山を好きになってくれるのではないかと思う。


その4 オペレーション
遠隔会場で問題となるのは、代替え選手村と各オペレーション。
本会場から離れていることで、選手の食事やホスピリタリティステーション、さらにはメデイアステーションなど多くの問題が出てくる。

しかし館山市は古くからスポーツの合宿や大会などを誘致してきた経験があり、特に水泳に関しては日本代表レベルの合宿を多くサポートしてきている。


施設においても、北条海岸から車で10分圏内に屋外長水路プール、20分圏内に市営25m室内プールを所有しており、民間スポーツ施設や小中学校、高校のプールを含めれば十分キャパシティを確保することができる。


ちなみに、僕もこのプールで良く泳いでいた。
レベルは違うけどねf^_^;



そして、館山市内には、和洋タイプの旅館やホテルが数多くあり、インバウンドにもいち早く対応するなど外国人に向けた準備も整っている。

さらに新鮮な魚介類が日々水 揚げされており、農産物は、米に加え、一年を通して多様な野菜や果実が生産されており、まさに食材の宝庫と言える。

果実は、いちご、びわ、いちじく、なしに加え、マンゴ ーやパッションフルーツ・ドラゴンフルーツまで生産されている、知られざるフルーツ王 国である。
旅館組合や観光協会が協力することで、選手村を新設せずとも、既存施設を代替えとして利用できる可能性があり、世界中のトップアスリートや関係者を満足させるオペレーションは可能であると考える。


その5  ライフセービングクラブ

OWSは競泳と違い、自然と接するというリスクがある。
単に“泳げる”だけでは安全とは言えず、予測し得ない危険と隣り合わせになる。
特に国際レベルともなれば、小走りで走るほどのスピードで泳ぐことから、溺水だけでなくコースアウトや接触など様々なトラブルを予測しなければならない。

そこで、この競技開催に必要不可欠なのはライフセーバーの存在である。
ライフセーバーと陸上オペレーターとの連携により、選手は単独で泳ぐことよりも数倍ストレスを軽減することができ、事故を未然に防ぐ可能性が高まるのだ。

ライフセーバーは、その資質に多少の差はあるにしても、重要なのはその海域に起こりうる“危険”を予測できるか否かである。
その海域に慣れ、海洋状況の変化や突発的なトラブルを予測できるのは、常にその海域にいるライフセーバーが望ましい。

つまり、ともに大会や練習をサポートする地域のライフセービングクラブが存在するかは重要なファクターとなるのだ。


館山サーフライフセービングクラブ

既に館山市、南房総市を監視する業務で実績があり、日本ライフセービング協会に公認されたライフセービングクラブが地元には存在する。

さらにOWS日本選手権サポートの経験もあることから心強い。


しかし課題もある
いいことばかりではない。
正直国際大会ともなれば、課題がないわけではない。
ここは正直に評価しておこう。

①海水浴やマリンスポーツシーズンと重なる
東京五輪のOWS開催日は8月5日6日の2日間。
当然北条海岸もトップシーズンであるので、部分的であるにせよ、ここを貸切るというのは厳しい。

②渋滞
館山市内は、館山道路から南へ抜けるバイパスができているものの、北条海岸沿いの道路は道が狭く、迂回する道も多くはないため、渋滞が予想される。
選手や関係者が宿泊する施設から会場までの移動するるルートなどに課題が出る。

③観客席
北条海岸は砂浜が狭く、関係者や観客などが安全に観戦するためには仮設の観客席などが必要になる。
OWS競技の場合、沖へ出てしまうとどこで誰が泳いでいるか見えにくいため、観戦用のモニターなどで対応を考えられるかもしれないが、その場所を確保できるか否か。

④治安問題
閑散期は静かな街であるが、開催期は外国人や他県からの観光客で溢れる可能性が高い。
民間の宿泊施設に選手が宿泊する場合、治安が課題となる。

⑤もっとある
きっと専門的にみたらもっとある。地元や協力者の理解などはじめての誘致には障壁はつきものだ。
あか抜けてきたように見えて、館山もやっぱり田舎。
新しいことに否定的な人だって大勢いる。



結論的に
スポーツや海を愛する人々でだけでなく、本当の意味で地域が地元を愛し、協力してオリンピックを誘致しなくては実現できないと考えた。
いや、協力すればオリンピックを誘致できるかも知れない!

それでもお台場の海がダメということではない。
海はつながっているし、あの海を愛して育った人やあの海で生活を営んできた人はきっと大勢いると思う。
お台場をマリンスポーツの聖地にしようという考えも将来的なビジョンとしては共感する部分がないわけでない。

実際ダイビングでお台場を通年潜って調査している人たちもいるし。

江戸前のオリンピックはいい。

でもアナゴだってあさりだって、東京湾なら江戸前じゃない?
ちがうかな。



しかし




せっかく日本でオリンピックしようと決めたのなら、選手も関係者にも、そして未来を担う子どもたちにも日本の素晴らしい海でOWS競技を行うところを見せたい。

それがOWSの普及に、海を好きになってくれる子どもたちの普及につながると信じている。

僕はそう思っている。






ブログランキングに参加しています。
よろしければポチッと押して下さい(^^)

にほんブログ村 その他スポーツブログ スポーツトレーナーへ
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ

東京五輪OWSを館山で開催することを推奨したい理由-1

東京五輪で開催されるオープンウォータースイミング(以下OWS)開催を千葉県館山市で行うことを推奨したい。

長期にわたり努力を続けている関係者にとっては勝手なことを・・・とか異論などがあると思いますが、OWS指導者の端くれとして、または個人的な意見としてまとめてみたい。


日本におけるOWSの基礎となったのは、日本泳法、競泳そして臨海学校などで行われる遠泳である。
実は遠泳には非常に長い歴史があって、「長く泳ぐ」という意味では江戸時代にまでさかのぼる。
江戸時代、各藩において武芸十八般の1つとして水術の修得が奨励された。
その中でも津藩が採用した日本泳法「観海流」はより長く泳ぐために発生したもので、現代の平泳ぎに似た泳法であった。

観海流 に対する画像結果


三重県観光連盟公式サイトより引用


陣太鼓にあわせて掛け声をかけながら集団で遠泳を行う「古式沖渡り」などは、現在の遠泳でも似た習慣がある。

明治時代になるとこれらの泳ぎを修得する機会として、遠泳が海軍や学校教育において採り入れられた。

昭和期にはさまざまな形式で遠泳大会が各地の海水浴場で開かれた。

わが母校である筑波大学では、1902年に日本の大学として最初に授業として水泳実習 (臨海)取入れるなどにの歴史がある。
現在では伝 統的な遠泳中心のプログラムからスキン・ スクーバダイビング、カヌー、ボードセーリン グ、釣り・手こぎボート、バイアスロン、ライ フセービング、ビギナーズコースなど多彩な実習となっているそうだ。


さて、一方OWSは、海・川・湖などの自然環境を舞台に泳ぐ、トライアスロンの水泳の部分が独立したような水泳競技のことである。
プールで泳ぐ競泳種目と異なり、選手同士の身体接触や駆け引きが多くみられ、潮の流れや波の影響を考慮したレース戦略を練ることから「泳ぐマラソン」とも言われている。

1980年代に行われた西オーストラリアの海峡レースを基礎にし、国際水泳連盟が競技規則を作成し誕生した。
現在は国際水泳連盟が統括している5つの水泳競技種目のひとつで、1991年から世界水泳選手権の正式種目になり、2008年から北京でオリンピックの正式種目となった最も新しい水泳競技種目である。
世界水泳選手権では男女5km・10km・25km が実施種目となっており、オリンピックでは男女10km が実施種目となっている(オリンピックにおいてはマラソンスイミングと表記)。
また、OWSの基礎となったのは海峡横断泳である。 イギリス、フランス間ドーバー海峡横断は有名で、1875年にイギリス人マッシュー・ウエッブが21時間45分をかけて直線距離34kmを泳いだ記録が現存する初横断者である。
他にも、1950年から開催されている私も参加した西オーストラリア、ロットネスト島海峡横断レースは、現在約3,000名が参加する世界最大規模のオープンウォータースイミング大会となっている。



国内では、1925年から実施されている熱海初島横断団体泳(1925年初開催後中断、1948年から再開し現在まで毎年開催)が古い海峡横断泳として有名で、全国のOWS愛好者憧れの大会である。

1996年8月10日には我が国初の本格的な競技大会として福岡国際オープンウォータースイミング競技大会が福岡市の大原海水浴場で開催された。

2012年ロンドンオリンピックに貴田裕美選手、平井康翔選手が初めて日本代表に選出され、現在も国内外でOWSの先駆者として活躍している。

2016年の希望郷いわて国体より、5kmの距離で、国体の正式種目となるなど、OWSの普及に拍車がかかる。

現在OWSは1千万人の潜在的参加者がいるといわれる新興生涯スポーツに発展し、全国各地で大会や参加者が増えている。

そして、注目すべきはOWS参加者がマラソンランナー同様、全国の開催地に移動する交通機関や宿泊、食事、観光などスポーツによる地域貢献にも繋がっている傾向にあり、今後の展開によっては海や河川を利用したスポーツツーリズムのツールとして活用され、将来OWSがスキーやゴルフに次ぐ新しいスポーツツーリズム種目へ発展していく可能性は高い。


【問題と課題】
OWSは愛好者からオリンピック種目までに発展している。
しかし、OWSは海や河川がフィールドとなるため、事故が起きた場合大きな問題となってしまう可能性が高い。
OWSが後発スポーツであるからこそ、早期なリスクマネジメントが必要なのではないかと問題意識を持っている。

具体的には国内におけるOWS事故の多くがスタート5分以内に起きている点、オープンウォータースイミングの知識や経験が浅いプール競泳経験者が多い点を見ると、参加者のリスク認識の低さが、安易な大会参加や前準備不足を招き、事故につながっているのではないかと考える。

これは、OWS参加者の多くが、スイミング競技者からステップアップしているところからも予想をしている。

つまり、プールとオープンウォーターでは泳ぐ技術だけでなく、準備、環境、精神的な心構えなど多くのリスク認識に違いがあるにも関わらず、それらを理解せずにOWSへ飛び込む参加者が多いからではないかと考えた。

一方、日本水泳連盟のOWS指導課程におけるリスク認識は、水泳競技種目の「プール競泳」に準じて技術的な内容が中心となっており、プール水泳とOWSとの危険性の違いや経験者からの心構えなど参加者のリスクを認識する内容が今後増えていくことを期待したい。

その2に続く

【参考文献】
わが国におけるオープンウォータースイミング(OWS)の成長発展に関する研究, 鷲見全弘2008 Channel swimming association, data file
OWS競技に関わる安全対策ガイドライン 日本水泳連盟2010
日本水泳連盟編『オープンウォータースイミング教本』大修館書店,2006
日本水泳連盟編『水泳コーチ教本 第2 版』大修館書店,2005
日本水泳連盟編『水泳指導教本』大修館書店,2002
鈴木大地,10km オープンウォータースイミングの生理学特性-OWS の心拍数を中心に,
『日本オリンピック委員会/日本コカ・コーラ スポーツ科学基金 (アクエリアス基金)2006 年度研究報告書』日本オリンピック委員会,2006



ブログランキングに参加しています。
よろしければポチッと押して下さい(^^)

にほんブログ村 その他スポーツブログ スポーツトレーナーへ
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ