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2018年3月31日土曜日

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-6 Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-6

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-6
Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-6

Vol-6




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モンゴル人アスリートはなぜ強いのか
から読んで頂くとわかりやすいと思います。


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6-1 成長期に培われるスキル

モンゴル人アスリートの研究をすすめているうちに、彼らの強さは成長期の教育によるものなのではないかと考えるようになった。

「子どもは国の宝」と掲げるモンゴルの教育に対する国の支援は厚く、先進国並みである。
しかし、それ以上に親が直接子どもに教育を施すことが日常である。

昨今の日本では保育園や学校、大学にまで教育の責任を押し付け、挙げ句の果てには社会人になってまで会社が道徳を説かなくては行けないほど、家庭での教育は軽薄である。

親が言っても聞く耳をら持たないとか、家庭の会話がないということは、中高生の親から良く聞く話しだが、モンゴルではあり得ないという。

現代スポーツは技術や体力だけでなく、チームやサポーターとの協調性、判断力など多くの能力が必要であると言われるが、これらの能力の基礎は家庭において教育されるものである。

しかし、実際は家庭でのコミュニケーションが低く、学校やスポーツ指導者がその責任を負わされることでさらに選手の能力は「応用力のない偏った人間」を作り出してしまうのだ。

このようなことから、モンゴル出身力士が強い理由のひとつは、環境適応力であると考えた。

独特の文化と習慣がある相撲部屋に入り、耐え抜いていくには、自立した考え方と目に見えない心の支えが大切である。

なんでも人に行動を示されなければ動けなかったり、人見知りしていては共同生活もままならなくなってしまうだろうし、なにくそ!と思うようになったとしても、遠く故郷に家族が待ってくれているという強い気持ちがあってこそ乗り越えていけることもあることだろう。

また、会話でのコミュニケーションを大切にするモンゴル人にとって、日本語を覚えることは最も重要な課題である。

現に他国出身の力士に比べてモンゴル人の日本語習得スピードは早く、現力士の多くが漢字でメールのコミュニケーションをとることができるほどである。

体力、敏捷性、コミュニケーション能力、そして環境応用力。

モンゴル人がアスリートとして必要な能力の多くは成長期に培われたものであり、その能力の差は成人してからでは身につきにくいものであることが良くわかった。

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2018年3月28日水曜日

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-5 Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-5

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-5
Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-5

Vol-5


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5-1 モンゴルの子ども

前回モンゴル人のアイデンテティや両親に対する気持ちについて述べた。
モンゴル人の多くは、宗教観とは別に、家族に対する敬愛の心を深く持ち、親や家族のために自分が強くありたいという気持ちがあることを説明した。

これらは一緒にいる時間が長いとか親からの教育方針など様々なことが要因と思われるが、モンゴル人の子どもたちが、具体的にどのような生活をしているのかに着目してみる。

モンゴルの子どもたちは、歯が生えるかどうかの年齢から馬乳酒という馬の乳でできた乳酸菌飲料を飲み、羊の肉を中心とした高たんぱく食である。


決してカラダに良いものだけを食べているという環境ではないものの、羊や馬乳酒の原料は比較的安価に手に入り、日常的に食しているという特徴がある。


また、モンゴルで常食とされる羊や山羊は、牧草ではなく、自然草を食べて育っているために、脂肪分や臭みも少ない。




米やパンなどの炭水化物を中心とした日本と比べ、たんぱく質の摂取量が非常に高く、特に厳冬な季節は野菜がないため朝から肉や乳製品を食することが多い。

このような食事の内容から、1980年から1990年代に生まれた子供たちの多くは、いわゆる菓子類や清涼飲料水などを食するといった習慣はなく、引き締まっている子どもが多かった。

しかし、1992年の民主化以降、首都ウランバートルを中心とした急速な近代化と人口密集によって、外国資本が多く投入され、中国や韓国からの輸入品によって、通年で野菜や肉、米などが手に入るようになると、モンゴルの子どもも他国同様肥満児が増えてきているという。


肥満児は、成人になってバランス感覚や俊敏性に劣ることにつながることも分かっていることから、その影響は高い。




また、モンゴルの子どもは4~5歳から馬に乗るという。全ての子どもがそうとは限らないが、首都ウランバートルの一部を除き、街の中は整備さていない道が多く、そういった意味では、常にバランスを取らなければいけない環境であると思われる。


また、民主化以前はインフラを含め、鉄道やバスなどの交通機関や自家用車の普及が低くかったため、子どもたちは、何十キロも遠くの場所でも歩いて遊びにいくなど、成長期にカラダを動かす習慣が多いことがうかがえる。


さらに、意外と知られていないのは、モンゴルの標高が高いことである。
ウランバートルの空港や市内は1500~1600mの標高があり、その場所で動くだけで、高地トレーニングを行っているような環境である。


高地トレーニングの効果は言うまでもなく、標高の低い場所にいるよりも腎臓を中心に他の臓器の機能を上げる効果があり、あらゆるスポーツのパフォーマンスを上げる可能性が高いのだ。



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2018年3月21日水曜日

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-4 Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-4

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-4
Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-4

Vol-4


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4-1モンゴル人のアイデンティティ

Vol-3では家父長制について触れ、モンゴル人の「幸せ」に対する定義が子どもの発達に影響を及ぼしているのではないかと論じた。

家父長制については、古代ローマ時代にまでさかのぼり多くの国が採用していた。日本でも明治民法で採用されていたが、DVにつながる可能性が高くなることやジェンダー問題として取り上げられることが多い。

モンゴルにおける家父長制も、それ自体が法律であるとか、ルールというわけでもないようであるが、モンゴル人の多くがチベット仏教を信仰していることから、その影響も高いのではないかと推測する。
通常父親の名前を名字に(日本でいうところの)取り入れる点などからもうかがえる。


モンゴル人は歴史と祖先を尊重する。
好きというよりも、自分の祖先がどのように国をつくり、今があるのか。
いわゆるモンゴル人としてのアイデンティティに対して誇りと、モンゴル人として知っている必要があることを皆が語る。

チンギスハンがモンゴル人のアイデンティティとして崇められていることについては、前回説明しているが、実際、モンゴルへ行った際、どの家庭にもチンギスハンの絵が誇らしげに飾られており、それこそがモンゴルであり、自身を示す象徴であることが伝わる。



英雄になりたい。
国民的行事であるナーダムはモンゴル人なら誰しも注目する行事であるが、そこで優勝することは、モンゴル人として名誉であり、その名誉は代々受け継がれるものである。

また、その他のスポーツでも国際的に活躍した人は英雄として崇められ、その名誉を国として表彰する制度が確立している。

2008年北京五輪柔道で金メダルを獲得したナイダン・ツブシンバヤル選手は、大統領直々に名誉を表彰され、破格の待遇で生活を保障されている。

つまり多くのアスリートが「英雄」に近づくため、その誇りをもって戦っているのだ。
モンゴル人アスリートの多くがいう。



“ 何のために戦っているのか、競技でもなんでもそこに原点があると思う ”


日本人アスリートは何のために戦っているのだろうか。




「なんでそうなのか?」
この質問を何度もするが、何についても皆そろって

「それがあたりまえ」
とこたえる。

あたりまえということは、習慣であり心身にしみ込んだものとも想像できる。
生まれながらにして、そのような習慣がある要因とは「親」ではないかと推測できる。

■ モンゴル出身力士のインタビューより
日本のように親のことをクソ婆とか反抗して家に帰らないとかはありえない。これは宗教とか、親から教わるようなものでもない、モンゴルでは嫁姑の問題もない。あっても口には出さない。あっても周りの人には恥ずかしくて言えない。
そうやって子供が親を心配させることは良くないこと。
モンゴルでは3歳くらいまでほったらかし。 (お父さんの立場は)一番偉い。それが当たり前。未だにお母さんが来ると、右の頬にキスをして帰る時には左の頬にキスをして、また会いましょうという。 また会うためのおまじない。家族だけじゃなくて、知らない人にでもそう習慣がある。
お母さんと毎日電話するからね。昼休みになると兄弟みんなから電話がかかってくる。お母さんや兄弟と電話を切るときに「愛しているよ」って
ナライハの人たちは,俺のお父さんのことをみんな知っている、息子が日本で力士になったって、だからお父さんに恥かかせるわけにはいかない。お父さんの前でタバコを吸うような、失礼なことは絶対できないね。 それは恐れ多いよね。
神様だね(両親は)早く強くなって携帯を買って、親に連絡をできるようになりたかった。


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2018年3月8日木曜日

アスリートとケガ

大相撲春場所横綱・稀勢の里が休場することが決まった。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)が朝稽古後に「左胸がなかなか完治しない。稽古も思うようにできない」と説明。

師弟で7日夜に話し合い、8日朝に休場を決めたという。 



中日新聞 共同から引用


我がチーム鶴竜も、再三のケガに悩まされて休場し初場所で辛くも勝ち越したが、力士はケガが絶えない。

力士が相撲取っているところをみたことがある人ならば、あれでケガしない方がおかしいと誰しも思うはず。



日頃からトレーニングを欠かさない僕でも、引退した力士に相撲を教わって、ちょっと相撲を取っただけで全身筋肉痛というか、負傷レベルで撃沈。



そんな過酷な稽古でケガをしにくいのは、相撲で使う筋肉を成長期から鍛錬していることと
土俵中での彼らは危険回避能力が高いという点にあると思う。


つまり、毎日稽古することで、4.55mの土俵の空間認知能力が自然と高まり
ここまでいくと俵(土俵の周りを囲む境界線)があるとか
ケガをしないための受け身の取り方を身体が覚えているのではないかということ。


もちろん柔道やボクシング、空手など他の格闘技も同じようなことがいえるはずだが、こと相撲においては身体の大きさに対して土俵が小さく
空間認知能力がつかみやすいのではないかと思うのだ。




しかし、人間誰しも加齢によって、動作に対する筋繊維の動員数は減ってくるし

相撲もスポーツ科学として考えられるようになったことで、土俵以外でのトレーニング(ウエイトトレーニングなど)をするようになって(それが悪いわけではないが)

必要ない筋肉や体重の増加が時として空間認知能力を低下させるのではないかと思う。


<これについて、他種目で同様の研究した人が海外にはいたけれど、文献の翻訳が追いつかないのでいつか説明したい>


あんな小さな空間で、早ければ1秒で決着がつく格闘技で次の技を考えている時間はない。


だから本能的に身体が動くようにするのだ。


本能的に、そして空間認知能力を高めるためには



たくさん土俵で稽古をするしかない。





だから、土俵以外のトレーニングは、長く土俵で稽古をするための予備稽古でなければならない。
スタミナ、筋力、そして繰り返し、繰り返し行う基礎練習に飽きない心を養うために。


40才を過ぎて未だトップアスリートとして活躍する人たちにインタビューをすると
必ず言うのは


「飽きもしないで基礎練習を繰り返して行うスタミナを持っているやつは、誰よりも上に行く」


「そしてケガをしない」


ケガをするアスリートの全てが稽古やフィールドの練習が足りないとは言わない。

予測し得ないアクシデントだってたくさんあるから。

でも、ケガをしたアスリートはそれを偶然と思わずに、「なぜケガしたのか」を追求して欲しい。


「ケガをしなければ、もっと素晴らしい選手だった」


トレーナーとしてこんな言葉は聞きたくない。

 

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