2018年3月28日水曜日

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-5 Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-5

モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-5
Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-5

Vol-5


はじめてこのページを見た方は
モンゴル人アスリートはなぜ強いのか
から読んで頂くとわかりやすいと思います。

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5-1 モンゴルの子ども

前回モンゴル人のアイデンテティや両親に対する気持ちについて述べた。
モンゴル人の多くは、宗教観とは別に、家族に対する敬愛の心を深く持ち、親や家族のために自分が強くありたいという気持ちがあることを説明した。

これらは一緒にいる時間が長いとか親からの教育方針など様々なことが要因と思われるが、モンゴル人の子どもたちが、具体的にどのような生活をしているのかに着目してみる。

モンゴルの子どもたちは、歯が生えるかどうかの年齢から馬乳酒という馬の乳でできた乳酸菌飲料を飲み、羊の肉を中心とした高たんぱく食である。


決してカラダに良いものだけを食べているという環境ではないものの、羊や馬乳酒の原料は比較的安価に手に入り、日常的に食しているという特徴がある。


また、モンゴルで常食とされる羊や山羊は、牧草ではなく、自然草を食べて育っているために、脂肪分や臭みも少ない。




米やパンなどの炭水化物を中心とした日本と比べ、たんぱく質の摂取量が非常に高く、特に厳冬な季節は野菜がないため朝から肉や乳製品を食することが多い。

このような食事の内容から、1980年から1990年代に生まれた子供たちの多くは、いわゆる菓子類や清涼飲料水などを食するといった習慣はなく、引き締まっている子どもが多かった。

しかし、1992年の民主化以降、首都ウランバートルを中心とした急速な近代化と人口密集によって、外国資本が多く投入され、中国や韓国からの輸入品によって、通年で野菜や肉、米などが手に入るようになると、モンゴルの子どもも他国同様肥満児が増えてきているという。


肥満児は、成人になってバランス感覚や俊敏性に劣ることにつながることも分かっていることから、その影響は高い。




また、モンゴルの子どもは4~5歳から馬に乗るという。全ての子どもがそうとは限らないが、首都ウランバートルの一部を除き、街の中は整備さていない道が多く、そういった意味では、常にバランスを取らなければいけない環境であると思われる。


また、民主化以前はインフラを含め、鉄道やバスなどの交通機関や自家用車の普及が低くかったため、子どもたちは、何十キロも遠くの場所でも歩いて遊びにいくなど、成長期にカラダを動かす習慣が多いことがうかがえる。


さらに、意外と知られていないのは、モンゴルの標高が高いことである。
ウランバートルの空港や市内は1500~1600mの標高があり、その場所で動くだけで、高地トレーニングを行っているような環境である。


高地トレーニングの効果は言うまでもなく、標高の低い場所にいるよりも腎臓を中心に他の臓器の機能を上げる効果があり、あらゆるスポーツのパフォーマンスを上げる可能性が高いのだ。



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