モンゴル人アスリートはなぜ強いのか-6
Монголын тамирчид яагаад хүчтэй байдаг вэ-6
Vol-6
はじめてこのページを見た方は
モンゴル人アスリートはなぜ強いのか
から読んで頂くとわかりやすいと思います。
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6-1 成長期に培われるスキル
モンゴル人アスリートの研究をすすめているうちに、彼らの強さは成長期の教育によるものなのではないかと考えるようになった。
「子どもは国の宝」と掲げるモンゴルの教育に対する国の支援は厚く、先進国並みである。
しかし、それ以上に親が直接子どもに教育を施すことが日常である。
昨今の日本では保育園や学校、大学にまで教育の責任を押し付け、挙げ句の果てには社会人になってまで会社が道徳を説かなくては行けないほど、家庭での教育は軽薄である。
親が言っても聞く耳をら持たないとか、家庭の会話がないということは、中高生の親から良く聞く話しだが、モンゴルではあり得ないという。
現代スポーツは技術や体力だけでなく、チームやサポーターとの協調性、判断力など多くの能力が必要であると言われるが、これらの能力の基礎は家庭において教育されるものである。
しかし、実際は家庭でのコミュニケーションが低く、学校やスポーツ指導者がその責任を負わされることでさらに選手の能力は「応用力のない偏った人間」を作り出してしまうのだ。
このようなことから、モンゴル出身力士が強い理由のひとつは、環境適応力であると考えた。
独特の文化と習慣がある相撲部屋に入り、耐え抜いていくには、自立した考え方と目に見えない心の支えが大切である。
なんでも人に行動を示されなければ動けなかったり、人見知りしていては共同生活もままならなくなってしまうだろうし、なにくそ!と思うようになったとしても、遠く故郷に家族が待ってくれているという強い気持ちがあってこそ乗り越えていけることもあることだろう。
また、会話でのコミュニケーションを大切にするモンゴル人にとって、日本語を覚えることは最も重要な課題である。
現に他国出身の力士に比べてモンゴル人の日本語習得スピードは早く、現力士の多くが漢字でメールのコミュニケーションをとることができるほどである。
体力、敏捷性、コミュニケーション能力、そして環境応用力。
モンゴル人がアスリートとして必要な能力の多くは成長期に培われたものであり、その能力の差は成人してからでは身につきにくいものであることが良くわかった。
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