2018年3月8日木曜日

アスリートとケガ

大相撲春場所横綱・稀勢の里が休場することが決まった。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)が朝稽古後に「左胸がなかなか完治しない。稽古も思うようにできない」と説明。

師弟で7日夜に話し合い、8日朝に休場を決めたという。 



中日新聞 共同から引用


我がチーム鶴竜も、再三のケガに悩まされて休場し初場所で辛くも勝ち越したが、力士はケガが絶えない。

力士が相撲取っているところをみたことがある人ならば、あれでケガしない方がおかしいと誰しも思うはず。



日頃からトレーニングを欠かさない僕でも、引退した力士に相撲を教わって、ちょっと相撲を取っただけで全身筋肉痛というか、負傷レベルで撃沈。



そんな過酷な稽古でケガをしにくいのは、相撲で使う筋肉を成長期から鍛錬していることと
土俵中での彼らは危険回避能力が高いという点にあると思う。


つまり、毎日稽古することで、4.55mの土俵の空間認知能力が自然と高まり
ここまでいくと俵(土俵の周りを囲む境界線)があるとか
ケガをしないための受け身の取り方を身体が覚えているのではないかということ。


もちろん柔道やボクシング、空手など他の格闘技も同じようなことがいえるはずだが、こと相撲においては身体の大きさに対して土俵が小さく
空間認知能力がつかみやすいのではないかと思うのだ。




しかし、人間誰しも加齢によって、動作に対する筋繊維の動員数は減ってくるし

相撲もスポーツ科学として考えられるようになったことで、土俵以外でのトレーニング(ウエイトトレーニングなど)をするようになって(それが悪いわけではないが)

必要ない筋肉や体重の増加が時として空間認知能力を低下させるのではないかと思う。


<これについて、他種目で同様の研究した人が海外にはいたけれど、文献の翻訳が追いつかないのでいつか説明したい>


あんな小さな空間で、早ければ1秒で決着がつく格闘技で次の技を考えている時間はない。


だから本能的に身体が動くようにするのだ。


本能的に、そして空間認知能力を高めるためには



たくさん土俵で稽古をするしかない。





だから、土俵以外のトレーニングは、長く土俵で稽古をするための予備稽古でなければならない。
スタミナ、筋力、そして繰り返し、繰り返し行う基礎練習に飽きない心を養うために。


40才を過ぎて未だトップアスリートとして活躍する人たちにインタビューをすると
必ず言うのは


「飽きもしないで基礎練習を繰り返して行うスタミナを持っているやつは、誰よりも上に行く」


「そしてケガをしない」


ケガをするアスリートの全てが稽古やフィールドの練習が足りないとは言わない。

予測し得ないアクシデントだってたくさんあるから。

でも、ケガをしたアスリートはそれを偶然と思わずに、「なぜケガしたのか」を追求して欲しい。


「ケガをしなければ、もっと素晴らしい選手だった」


トレーナーとしてこんな言葉は聞きたくない。

 

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