2018年4月21日土曜日

これからのスポーツ合宿をめざして

ここ数日、夏のように強い日差しが照りつけ、日向は30℃近くにも気温が上がって、まさに夏日となった。

そんな中、昨日から女子相撲の元世界チャンピオン山中未久選手の定期合宿をサポートしている。





昨年から行っている月一回の定期合宿。

普段は京都の大学とg- zoneというトレーニングジムで稽古とトレーニングを積んでいる。

相撲コーチ、フィジカル、コンディショニング、ライフスキルの各専門家がチームを組んで彼女をサポートするという、これからのアスリートがあるべきスタイルを形にした素晴らしいチームだ。

6月から1年ぶりの再起戦!
世界チャンピオン奪回に向けて第一歩を踏み出すので、ぜひ応援よろしくお願いします!

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さて、一般的に行われている合宿について考えてみた。


僕も高校から学生時代にあまり良い思い出とはいえない合宿に何度か参加してきた。

通常高校や大学で行われるスポーツ合宿とは、3日~1週間ほどの期間、チームで泊まり込み、トレーニングや練習、夜間はミーティングなど文字通り合宿しながら詰めこむ方法で、朝から夜まで管理されるために、集中して実施できるメリットがあると考えられている。

しかし、実際のスポーツ合宿はどうだろうか。
昔の合宿は、数日間でいつもできないような過度のストレスを選手に与え、終了後はそのあとのリカバリーもなく解放される。
しかし、指導者の考える効果はほとんど得られず、選手がレギュラー練習に戻った時には、合宿で行ったトレーニングの成果よりも、積み重なった疲労が困憊し、怪我やミスがでやすいコンディションになっていたりする。

そればかりか、先輩や監督と一緒に合宿するため、終日気を使い、トレーニングや練習と関係ない雑務(要は使いっ走り)をこなさなくてはいけない。

また、食事は概ね炭水化物中心で、濃い味付けの料理を無理やり食べさせられるために、合宿終了間際には、筋肉疲労とむくみで体重は増えているにも関わらず

「やっぱり合宿するとカラダが大きくなるな」

なんて勘違いをしている指導者が多かった。

もちろん当時の僕らはそれが合宿のおかげと思っていたのだけれど。




これからの合宿はこのような計画性のないものであってはならない。
トップアスリートやプロだけではなく、小中学生のレベルがもっとも重要だということを理解しなくてはいけない。


合宿で追い込んで根性をつける!
限界を知れ!
チームワーク!
共同生活で協調性アップ!
闘魂!

一見古いように聞こえる合宿のスローガンだけれど、選手やコーチ、トレーナーが目標を明確に定めているのであれば、何かしら効果があると思う。

僕が冬にやっているアスリート向けの合宿も、ゴルファーに一見関係ないような1週間に200㎞も走らせることだって、メンタル能力を多く要するゴルフにおいては、成長期のうちに“これだけやった”という自信をつけさせることが必要だったりする。


でも、監督や指導者が今までこうだったからとか、オレも昔やってきたからなんていう理由だけで合宿のメニューを決めたり、チームが目標を分からず闇雲にがんばれ!では効果があがらないどころか、故障者やドロップアウトしてしまう選手が増えることにつながりかねない。

つまりは、チームが最新のコーチングや栄養学、ライフスキルなどを取入れ、選手一人ひとりのコンディションや心身の成長度にあった目的を定めることが大切だと考える。



ベストはそれぞれの専門家が自分の領域に責任をもって選手にあたることだけれど、全てのチームが経済的な担保を取れるとは考えにくい。

だからそんな時にはメインとなるコーチや監督が、専門家を頼ることが必要だということ。

でも、得てして古いコーチや監督は自分の指導力に固執し、全て自分でなんとかしようとしてしまいがちだ。


選手がスマホひとつで筋肉のつけかたからコンディショニングの手法が分かってしまう時代に、自分の経験だけでコーチングすることは間違っている。
選手は全ての知識をコーチが持っているなんて思っていないのだから。


そして、合宿で何もかも詰めこんでしまってはいけない。

人間として自立していない未成年選手は、成長期の様々な岐路に立たされた時、無駄に悩み、挫折し競技力に影響を及ぼしてしまう。


だから、何事も自分で決定していく能力を養い、生きていくスキルを学ばなくてはいけない。

これからの合宿は、たくさんのトレーニングを積ませることではなく、選手が競技やコーチ、トレーナーとたくさんの時間を共有し、学び、考え、決定する時間とする必要があると思う。


アスリートのサポートを長くできるよう、僕はこれからも学び続ける。





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