2008年2月27日水曜日

愛車XJRが車検から帰ってきました。というより取りに行ってきました。



「よく整備されていますね、気になるところがほとんどありませんでした!」



とほめられ上機嫌。



大型バイクともなると、車検で6万以上かかるので、大変です。





さて、今日は1年くらい前から私のブログを読んでくれているある女性の話。



どこに住んでいるのかも、いくつなのかも知りませんが、ブログ上にコメントをもらい、メールが来てやりとりをするようになりました。



内容は、「私は鬱ではないか」という不安と逃避しようにもできない社会的な立場や側面からストレスが増え、深みにはまってしまったということ。



心理相談をしているわけでもないのですが、今の大学で学んでいることや普段の仕事柄、自然の中で感じたことをコメントしてアドバイスをしてきたつもりでした。



無論、私が学んでいる心理学は、より高い指導者として心理を学びたいというものですし医師でもないので治療をしているわけでもありません。



それに、このことは個人的なことだったので、ブログ上でコメントする必要はないと思っていたのですが、やりとりをするようになって1年が過ぎ、回復の兆しが見えた彼女の方から、私と同じような境遇にある人のためになるのであれば、コメントしてほしいという意見をもらい、これに至りました。





----



最初は病院にいくことを勧めていました。



でも、精神科へ行き、「鬱の一歩手前」という中途半端な診断をされた(きっと他にも言葉はあったはず)ことで、彼女の不安は爆発寸前にまで陥ってしまっていました。



鬱はそれを自覚することが大切という先生もいるようですが、普段自然の中で生活している私はそれだけではないように思えました。



心の病気は脳の病気ですから、思い込みだけでは済まない時もあります。しかし、心の病気は自分で作ったものですから、その薬は自分の中や環境にあると思うのです。



私は彼女に、「自然配列の美しさ」についてメールをしたことがあります。



これは、私が普段自然ガイドとして仕事をする上で基礎となっているものでもあります。



自然の木(自生した木)は、成長する過程で太陽の光をまんべんなく受けられるように葉や枝が重ならないように配列を組んでいきます。だから自然の木を下から眺めると、言葉では表現できないほどの「自然配列の美しさ」に刺激を受けるでしょう。数年前に屋久島を訪れた時、なぜこの島の木は皆美しく見えるのか不思議に思ったのを覚えています。



しかし、植樹した木は成長過程で間伐したり間引きしたり、人間の手を借りて育たなくてはいけくなってしまうそうです。大きく育っても、自然に育った木とは、葉や枝の配列が異なり、同じように下から眺めても同じ刺激を受けることはできません。



初島には植樹された2mほどの若い熱海桜があります。1月頃からかわいいつぼみをつけはじめ、現在は小さいながらも花を咲かせてくれています。これらの木も自然の木ではないので、「自然配列の美しさ」を見ることはできません。



しかし、熱海港にある熱海桜は美しく咲き誇り、「自然配列の美しさ」とまではいかないものの、人に感動を与えるほどの桜となっています。この桜は昔は海だった場所が埋め立てられた際に植樹された木です。毎年多くの人の手によって保護され、珍重されています。では人の手がかかっている桜がなぜ美しく咲けるのでしょう。



この桜に手をかけている人の愛情、そして適応力です。



自然の生物にはすべて適応力があります。適応障害というものもありますが、それにも適応することができます。



そして、その適応には個人差があります。



私の友人に生まれつき脳の障害を持ったお子さんをもつ人がいます。子供が生まれて3年間は、鬱に悩まされたり、子供を抱えて死にたいと思ったりする毎日だったそうですが、7才を迎えた頃、適応できるはずもないと思っていた子供が、自分の愛情に反応し甘えてくれるのを感じて「幸せ」だと思ったそうです。今10才になり週1回のドライブ計画を地図を見て相談するのが、日課となり毎日が充実していると話してくれました。





時間ですね。



自分は今どの程度の病気なのかとか、いつ治るのかを考えるよりも時間をかけていくことなのでしょう。



焦らず、がんばりすぎないこと。



やさしい言葉や表現だけで、自分の適応力を薄めてしまわないように、ゆっくりと自分の心の配列を自然に近づけていくこと。



人間は、ヒトゲノム解析によって全塩基配列の地図を完成させましたが、自然木の配列について全てを解析できていません、それどころか解析できていないものの方が圧倒的に多いのです。



では、ヒトゲノム解析ができていれば、心の配列も治せる?



人間の心はそんな単純ではありません。自然の生物の配列も分かっていない人間に、人間の心の配列を治すことはできません。私はそう思います。



だから自分を自然に戻す力をつけることが重要だと思うと話しました。



それから半年以上が経って、いつの間にか彼女は自分と同じ境遇に悩む人のためにボランティアを始めたそうです。また、以前私が書いた「錆びたネジ」の記事を読んでバイクの免許を取ったとか、自然配列の美しさを見れるのは海の底だ!と言ってダイビングのCカードを取得したりとか・・・とにかく夢中になっているようです。



しかし、彼女の心の病が治ったわけではありません。度々襲われる不安と失望感に悩む日もあるそうです。しかし「それも自分」と割り切れる適応力を身につけた彼女は素晴らしいですね。



治らなくてもいい、他にできることがあるからやる、という感じだそうです。



自然配列の美しさを見れるのは海の底・・・なるほどね。



最後のフロンティアというからねぇ。



いいこというなぁ。







0 件のコメント:

コメントを投稿